2022.01.29 さまよえるオランダ人@新国立劇場
2022年初の舞台は新国立劇場のさまよえるオランダ人でした🚢
朝お寝坊してしまい身支度もてきとうに急いでチェロのレッスンに向かったから、
よれよれの通勤用のお洋服でそのままオペラを観ることになってしまった、、
オペラはクローゼットに眠っているきれいなお洋服を着る絶好のチャンスなのにもったいない😢
コロナの影響で年始にキャスト変更が発表され役者はオール日本人キャストに
わたしは出演者にこだわり無いし、
何よりU25の破格のお値段で観させてもらってるから良いけど、
出演者に期待してチケット予約したお客さんにとっては災難だったろうな、、
そしてキャスト変更の手配やプレスリリースの対応、ビラの差替えetc.をされた劇場の皆様も年末年始お休みなんて取れなかったのでは、、誠にお疲れ様でございました。
のんびり新宿のスタバでランチしてたらけっこうギリギリになっちゃって開演5分前に着席
席は土曜マチネなこともあってかかなり埋まっていました
詳しくないのであまりよく分からないのですが、やはりオペラファンにとってワーグナーの人気は根強いのですね
このご時世でもこんなに埋まるのかとびっくりしました(簡単に手放せないほどチケットがお高いという話でもありますが、、)
わたしドイツオペラには全く疎く、
ワーグナーは長ったらしい壮大な音楽がひたすら仰々しく流れるイメージがあり(大変失礼)、そしてドイツ語の響きがあまり美しいと思えず、
昨年のニュルンベルクのマイスタージンガーも何度も舟を漕ぎそうになり、、(笑)
イタリアオペラは大好きで、
特にロッシーニの軽い歌劇などが好みなのですが、今回のワーグナー、リタイアせずに見れるかすごい心配でした(笑)
ですが結果、
眠気に襲われることは一切無く、最初から最後まで楽しく観れました☺️💓
まず音楽は確かに壮大な音楽が仰々しく流れてはいるのですが(笑)、
ところどころ心をうっと掴まれる美しい旋律があったり、モチーフが興味深く繰り返し使われていたりと、想像していたよりよっぽど楽しく聞けました
なんだか出だしのところレミのオープニングの囚人の場面とリンクしますね、音楽というか雰囲気というか
シェーンベルクはなにか影響受けてたりするのかな??関係ないかな??
好みで言えばもっと甘ったるい優美な音楽の方が好きですが、マイスタージンガーの時よりは取っ付きやすい音楽で良かったです
ただオケが、、
金管は何かコロナの影響で代打とかあったのかな、、??モチーフが締まらないというか、ところどころ聴いていてストレスを感じる箇所があり
あと弦ももっとうねらせるイメージがありましたワーグナーって
歌手と息が合わない部分があったのはまだ本番は2回目だから、、??
うーん、、ちょっと消化不良な感のある音楽でした
ここからは気になったキャストさんを何人か、、
🚢ダーラント 妻屋さん
最近は新国カルメンやマイスタージンガーでお見かけしつつ、なかなか十分にお歌を聴けずにいましたが、
今回はたくさん聴けて幸せでした☺️
もちろんお声も素敵ですが、何より見栄えのする体格の良さ
わたしは舞台はオペラであっても見栄え重視なところがあるので(笑)、そういう意味でも妻屋さんはとても好きです
カーテンコールでお帽子くるくるんってさせてかぶるのかわいかった(笑)
👗ゼンタ 田崎尚美さん
初めてお見かけしたのですが、とても力強いクリアなお声の方ですね😳💓
高音の声量が素晴らしく、それでいて美しく
初めはけっこうがっちりされているというか、背もけっこうお高いでしょうし、衣装も光沢のある淡いブルーで膨張して見えるのもあり、
うーん、、乙女って感じはしないなあ、、と思ったのですが、
3幕で船に乗り舵輪の前に立たれスポットライトが当たった姿はまさに神々しく気高く清廉な乙女でした
カーテンコールでの拍手も一際大きかったと思います(もちろん私も今日一の拍手を送りました!)
🏹͙エリック 城 宏憲さん
前々から不思議なのですが、テノールの方って高音は声量があっても中音域で異常に声量が落ちる方けっこういらっしゃるじゃないですか
あれ何でなんだろうって
もちろん高音の方が響かせやすいのは分かるけど、女性はそこまで露骨に声量が落ちることは無いと思うんですよね🤔
城さんも響く音域とそうじゃない音域の差がすごいなと
あと一音一音がなんだかビニールでくるんであるような音の印象を受けて、
それを艶のある声と言うべきか響きがない深みが無い声と言うべきか、、まあ好みでしょうね
お顔は映像や画像では整ってる印象を受けましたが、舞台ではあまり映えないですね
🇳🇱オランダ人 河野鉄平さん
今日の公演の賛否はここじゃないでしょうか、、
1幕の印象は私は良かったです
お声が乾いてる、というか随分ドライな声質だなとは思いましたが、
そこまでオケにかき消されることも無く、何より見目が良いところがわたし好みだったので(笑)、幕間では2幕3幕が楽しみだなあという感じでした
ですが後半になるにつれお声がどんどん疲れていき、、
まあそもそもだいぶスタミナが必要な役どころですよね、とてもハードなんだと思います
3幕の最後はお声がかすれていました
去年の夏のカルメンの村上敏明さんのホセを思い出しました、あそこまで酷くは無かったですが
わたしはこの演目を見るのは初めてでしたが、
きっとオランダ人の役は本来もっと存在感のある、人間に見えるけどなんだか違う、多少の不気味さのようなものを併せ持った役どころなんじゃないかと思います
河野さんのオランダ人はなんか上司にオールで飲みに連れ回された明け方のサラリーマンのような、、なんというか、、(笑)
ただの疲れた生気のない人って感じがしちゃいました
この演目、別のオーケストラ、別のキャストで見ればものすごく感動する可能性がある演目だなと思いました
正直今回の公演が良かったのか悪かったのか初見の私には判断しづらく、、
でもたぶんあまり良くなかったのでは、実はもっと魅力的な演目なのでは、、と思っています
セットや衣装もあまり私好みでは無く
船乗りたちのあのTシャツの柄はなかなか独特ですね(笑)
セットもかなり簡易な印象を受けました
正直なところ最近観た新国立劇場の演目の中ではカルメンの次に消化不良な感じでした
でもストーリーや音楽の雰囲気は嫌いじゃないからまた別の機会にぜひ観てみたい、、!
また何か思いついたら追加で感想書こうかな
おわり🌷
2021.12.30 劇団四季「オペラ座の怪人」
四季を観るのはほぼ半年ぶり、
オペラ座は1年ぶりの観劇。
☆ファントム 岩城雄太さん
私の中でファントムと言えば佐野正幸さんもしくは高井治さん
あとは学生時代セリフ歌詞すべて暗記するほど聴き込んだCDの山口祐一郎さんや今井清隆さん
ちょうど1年前に観た時のファントムも岩城さんだったけど、その時は本当に本当に驚きました、こんなファントムがいるのかと
高井さんや佐野さんのファントムはスマートというか、コンプレックスをギリギリまで隠しているエリートファントムって感じ
一方で岩城さんは序盤からガンガンにコンプレックス抱えてる感を出してくる
すごく人間らしい、ファントムが今まで生きてきた道が見えるような演技をされている
人によってはもっとクールでかっこいい、ミステリアスなファントムが好きかもしれないけど、
わたしは岩城さんのファントムがとてもとても好き
クリスティーヌを大切に思っていることが伝わってくるし、かと言って変態な感じはしない、本当にひとりの人間としてクリスティーヌを愛しているのが伝わってくる
歌も申し分ない
ちょっと前の四季って、特にオペラ座みたいな演目は藝大揃い!って感じだったけど、だいぶ変わったんですね
歌える人が歌えばいいと思うし、
ファントムって映画版のジェラルド・バトラー然り、ちょっとロックみがあってもおもしろいと思うし
岩城さんはクラシック畑じゃない人には珍しく?変な癖がない、美しい歌い方をされますね
高い音域もきれいで安心して聴けます
ファントムと言えば今回高井治さんがアンサンブルで出演されていて、
パッサリーノやイルムートで不倫される旦那役などをされていました
カーテンコールの笑顔がまぶしかった、、(笑)
山本さんは高校生のときに、笠松はるさんがマリアのウエストサイドストーリーで、
サムウェアを袖で歌う役をされているのを観ました(聴きました)
その後色んなヒロイン役で活躍されているのは存じていましたが、拝見するのはウエストサイドストーリー以来初
だいぶ貫禄のあるクリスティーヌでした
こちらもファントム同じく、人間らしいクリスティーヌ
ぽわぽわ不思議ちゃん、というよりは、
意思のある、良い意味でしたたかなクリスティーヌ
もうこれは本当に好みの問題ですが、私はぽわぽわ不思議ちゃん華奢クリスティーヌが好きなので、
見た目・演技ともに私のイメージのクリスティーヌでは無かったなと
去年お見かけした海沼千明さんのクリスティーヌが見た目・演技ともにとても好みだったので、まあここは本当に個々の好みの差だなと
歌は思ったよりクラシック寄りではなく、高音域以外は意識してかわいらしく(大衆受けするように)歌われてるのかな?と思いました
ひとつ気になったのが、息で演技する箇所が非常に多いこと
セリフに入る前とか、歌のお休み部分とか、
はぁっ、ふぁっ、ふふっ、みたいな吐息?がすごく多くて、
もちろん効果的な部分もたくさんあって
ラウルとの屋上の場面では、初々しいキラキラカップルって感じが伝わってきてとても好印象でした
ただ一方で、そこは意識的に無音にした方が引き立つのでは?というところで息の演技が入るのは気になりました
墓場のソロ曲の最後のところとか
四季いつの間にか音楽・マイクともに爆音になったので、こういう息遣いが良い方向に働くこともありつつ、やはり多すぎると気になってしまいます
ただ歌も演技も安定感があり、なかなか十分な歌い手のいないこの演目を、前から支えてくださっているんだろうなと感じました
個人的にはもっとチャーミングな明るい役で拝見してみたいです
☆ラウル 加藤迪さん
わたし、この演目ラウルが1番難しいんじゃないかって思ってるんですね
クリスティーヌがファントムよりラウルを選ぶ説得感が無きゃいけない、そしてファントムの劣等感を引き出さなきゃいけない
でもラウルの魅力を語れるようなセリフやシーンはほぼ無いし、むしろ正直1人で熱くなっちゃってるちょっと強引なお坊ちゃん、みたいなセリフが多い
ということは、もはや立ってるだけでキラキラ、存在してるだけでファントムと対比になるような魅力がなきゃいけない
要するに見た目勝負
もちろん異論は認めますが、私はラウルは容姿と所作勝負だと思っています
出てきた瞬間から、立っているだけで、キラキラ王子様
その点わたしはそんなラウルを1度も見たことはありません、、
今回の加藤さんも、背は高いですが正直立っているだけでキラキラ王子様かと言われると、、
でもお隣の席に座っていた女子大生の方はオペラグラスでずっと加藤さんを追っていたので、見る方によってはキラキラ王子様なのかもしれないですね、ここはもう好みの問題です
ひとつ心を掴まれたのが、
墓場のシーンでファントムの方にふらふら近づいていっちゃうクリスティーヌに、なぜ?!と問うシーン
なんでかここのラウルにすごく心を掴まれ、苦しくなったんですね
今まで何も思ったことの無いシーンなのですが
これが加藤さんラウルの効果なのか、ファントム・クリスティーヌの効果なのか、相乗効果なのか分かりませんが、
なるほどここのラウルの切なさもなかなか心を打つんだなあと思いました
☆カルロッタ 河村彩さん
いやもう安定のかわいいチャーミングなカルロッタでした
私が高校生の時からずっとカルロッタをされていますから、もうベテランさんですね
声の圧も申し分ないし、何より見た目がかわいい(笑)
☆メグジリー 松尾優さん
☆マダムジリー 木村智秋さん
メグの松尾さんは独特なお声ですね、歌い方も少し平べったい感じ
でも一緒に観た友人はとても声がキレイだったと言っていたので、私の声の好みもだいぶ偏っているのかもしれないです
かわいらしいお顔で雰囲気はメグにぴったりでした、笑顔もとても素敵です
マダムの木村さんは、私のイメージするマダムジリーとは少し違い、勢いのある熱いマダムでした
セリフの勢いがすごいですね、ところどころ発音は気になりました
歌に関しては歌い足りないのかな?という感じ
声量があり、伸ばせるところは伸ばし切る、ビブをかけ切る、という感じ
ここも本当に好みですが、もうちょっと抑え目の、内に何かを秘めているまだマダムジリーの方がわたしは好きです
☆ムッシューフィルマン 平良交一さん
平良さんの良い声が心地良かったです
聴き取りやすいバリトンですね
お2人とも背があり舞台映えします
全体的に気になったのが音響が大きすぎること
オペラ座に限ったことでは無いのですが、最近の四季はガンガン音を響かせてくる印象があります
前からそんな感じでしたっけ、、?
オケはテンポがかっちりハマらなかったり、
金管が弱かったり、ちょっと心許ない印象
あとはセリフがだいぶ熱苦しい感じでした
みんな何か生き急いでるの?って
本当に個人的な見解ですが、
役者が冷静な視点を失ってただ自分の思うままに熱く演技をすることは、ただの自己満に過ぎないと思っています
お客さんを意識しながら、冷静に自分を俯瞰的に見る視点を持って演じないと、観ている側は置いてきぼりにされてしまいます
今回のオペラ座は少し置いてきぼり感があったような、、まあ私がもたもたしすぎて置いてかれているだけかもしれませんが(笑)
でも総じて久しぶりの四季、とても楽しく観させていただきました。
役者、裏方、運営の皆さん、良い舞台をありがとうございました💐